資源物持ち去りに規制をかける、市の条例案に反対したわけ

行政回収の業者以外の持ち去りに罰則をつけて規制しようという条例提案に反対したことに対し、以下のようなご意見をいただきました。

日頃から「わくわく通信」を関心を持って拝見しています。原発・解釈改憲と同意することも多々あります。
ところで2月5日発行の市議会だより掲載「廃棄物の処理関連改正条例案」にネットとして反対していますがその理由をお聞かせ戴ければ幸いです。
再生資源の中でも新聞は、我が家では新聞販売店の回収日に出しており横領されることはありませんが、近所の新聞は”窃盗業者”が回収日になると朝からトラックで何度も何度も周辺を行き来して所構わず個人の敷地内にも進入して新聞を盗んで行きます。再生資源は額の多少を問わず市の財源として戻ってくるのであり市民の財産です。窃盗が罪になるのは法律にも定められており、新聞を盗む業者に罰金を課す改正条例は至極当たり前と思いますが、「反対」したのは何か特別な理由でもあったのでしょうか?

ご意見ありがとうございます。
この件の判断については、実態に対する規制か、リサイクル本来の筋を通すかで、迷ったのは事実です。
しかし、リサイクルへの政策的関与は必要ですが、本来民間のリサイクルに委ねるべきところに、行政リサイクルを進めるような介入をすることは、民間のリサイクルを圧迫し、本筋ではないと考えました。
行政に必要な介入は、実行しておられるような回収を業界に義務付けることや、障害者団体の運営の一部にしたり、マンションや自治会単位で集めて民間業者が回収するような「集団回収」を進めることだと思います。

府中市はごみ有料化のさい「集団回収も進める」と言って、資源の行政回収は減らす方向でしたが、実際は進めることができず、行政回収が増えてきました。
集団回収ができない人のための行政回収をすべて否定するものではありませんが、今回の審議の中でわかったのは、おそらくは都の方針(特定民間事業者の組合からの要請)で条例化に踏み切ったという背景があり、行政回収を縮小するとしてきた従来の市の方針が、都の要請で大きく変わったことが疑問でした。行政回収は、市の財源として戻ってくる以上に、経費が掛かっています(収集運搬、保管、引き渡し)。また今回の条例では、罰則規定がかなり厳しいですが、それを管理監督できるか、という疑問もありました。

確かに市に出したと思っていたものが、それ以外の業者に抜き去られるのは、看過できないという気持ちは理解できますが、厳しい罰則規定をつけてまで条例化する必要があるのか、という点で賛成することができませんでした。
議事録も公表されていますので、もしよかったらご覧ください。