「特別支援教育はインクルーシブ教育といえるのか?」学習会の報告

障がいのある子もない子もずっと一緒の体験を保障するのは、大人の役目

7月6日、講師に一木玲子さん(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター准教授)を招いて、表記の学習会を、府中ネット主催で開きました。立川からも、来春小学校入学予定のMちゃんとお父さんが参加しました。Mちゃんは脳障がいから、たん吸引など医療的ケアが必要ですが、きょうだい同じ学校に通わせたいと普通学級を希望しています。

同じような状況の子どもが震災で被災したら…という話からでした。住民と一緒の避難所にはいられなかった障がい者や家族も多く、死亡率も高いことがわかってきましたが、石巻で地域の普通学級に通う中学生の知那ちゃんは、いったん自衛隊で病院に運ばれたものの、避難所に3月14日に戻されました。そんな知那ちゃんの避難所生活を支えたのは、同級生やその家族だったそうです。そのことが紹介された新聞記事【「真夜中のたん吸引も気にしないで」と見守ってくれた】【避難した子どもたちも不安でいっぱいだったと思うが、それでも一番危うい命だと知那子を気遣ってくれた】と言う母の言葉に、インクルーシブ教育の大切さを言い続ける意味を痛感したと、一木さんは言います。

特別支援教育が2007年に始まりましたが、それと同時期に「学力テスト」も始まり、発達障がいなどの子を「分けて力をつける」圧力も強まりました。学力重視が強まると、障がいのある子はますます地域の学校にいづらくなってしまっています。それでは経験や記憶を同世代と共有できないことは決定的な間違いで、将来一緒にいることができなくなります。本当は普通学級が変わらなければいけなかったのではないのか、というのが一木さんの問いかけです。

安心してすごせる「地域の普通学校」で「必要なときに使える支援と配慮」こそが求められる、それが子どもたちの自己肯定感をはぐくみ、他人への配慮につながる、そのような教育を作るのは大人の役割である、と結ばれました。
震災の経験を語る障がい当事者も増えていますが、今こそ、教育の中でも語られてほしい内容でした。Mちゃんが無事普通学級へ入学できますように、たくさんのクラスメートに囲まれますように、との思いもいっそう強まりました。