府中市は高齢者の基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を、府中警察署に提供しました!

2月25日の『読売新聞』に、市が市内在住の65歳以上の高齢者の情報(4万7千人分)を、府中警察署の依頼に応じて提供していたことが報道されました。

市は、昨年11月に情報提供の依頼があったこと、警察からの依頼の理由は、「高齢者を狙った振り込め詐欺や引ったくりなどの犯罪を未然に防ぐために、日常の巡回に活かすため」で、使途は「高齢者への巡回連絡などにより、事件事故の情報提供や犯罪予防の指導助言などに活かす」という趣旨だったことを認めました。

依頼を受け、個人情報保護条例に基づき個人情報保護審議会に諮問しましたが、2月21日に、「個人情報の保護に関する条例」のうち「公益上必要があると認めるとき」に該当すると判断し、情報の管理と使用に配慮するという条件をつけたうえでOKとの答申を出したため、市はその日のうちに情報を渡したそうです。

このことは「安心して暮らせる府中」の実現のためであると、市も警察署も言います。しかし、1度提供した情報の使途について、本当のことが知らされるのか、市が確認できるのか、という不安があります。しかも、報道によって、警察を装った電話をかけて情報を聞き出すなど、逆に悪用する犯罪も考えられます。情報の提供がなければ、目的が果たされないのかという「不可欠性」の判断について、審議会で議論が尽くされたとはいえません。

少なくとも、当事者には提供したことを知らせるべきと、3月26日の24年度一般会計予算委員会で訴えました。しかしその考えは示されませんでした。市は個人情報の秘匿、公開の判断はもっと慎重であるべきです。