都や市のホームページにも公表されている値とほぼ同じ値が、私たちの測定器や市の貸し出しの簡易測定器でも計測できました。公表は1m高さですが、地面に近いほど高いのは事実でした。
しかし驚いたのは、汚泥焼却灰の保管状況です。ここも見学と測定OKとなり、マスク、手袋で焼却施設近くの「反応槽」「沈殿槽」に案内されました。配管設備などの間を縫って、一面に1㎥フレコンパックが敷き詰められ、青ビニールシートで覆われていました。原発事故後の5月末から、それまで全量再利用として施設外に運んでいた汚泥焼却灰を処分できなくなり、10月26日に「8000ベクレル/キロ以下は埋め立てOK」との方針が決まるまでの分が保管されていました。その数約1500袋!
それ以降の分は、特別なトラックに詰めて輸送し、最終的にセメントで固めて(つまり放射能を薄めて)湾岸に埋め立てられています(それもおおいに問題ありです)が、ここにある分の処理処分は目途が立っていないそうです。多摩地域の施設はどこもこのような状況とか。
暑いさなか、放射能を含んだ粉状の汚泥焼却灰の袋詰め、仮置き作業に追われた職員、作業員の大変さ、危険さはいかばかりか。もちろんその部屋に入っただけで、測定値が一桁違ったことは言うまでもありません。2μシーベルト/h近かった…。
思い出すのは、一昨年多摩川衛生組合で蛍光管を焼却していたことが発覚して、日の出町が「飛灰」の搬入を断り、その間同じようなフレコンパックにつめて、施設内に200袋以上保管していたこと。このときの作業の大変さは以前ご報告しました。
危険物なので、外に野ざらしにできないのは今回も同様です。しかし、放射性廃棄物ともなれば、本来100ベクレル以上のものは原子力施設内で保管が、事故以前は原則と法律で決まっていました。つまり根拠があったはずです。
原発事故によってその原則がなし崩しになった現状に愕然とします。これらが輸送され、野ざらしの場に埋め立てられ、最後は海へ…と、隔離すべきものが循環してしまうことになりました。しかも今は私たちの税金でまかなっていることも、実感しました。この責任をだれが将来担うのですか、東電さん! と、悔しいです。