親が子どもを預けて働くのが当たり前の社会を目指したい、そしてそれを支えるのが保育園だけど、保育園は単なる預かり場所ではなく、親(父も母も)も保育者と一緒に子育てをしていく場がごんべで、それが「共同保育」という理念だと教えられました。
そして「どんな保育をするか」を、みな忙しい中、親も保育者も一緒に夜しょっちゅう議論していたことを思い出します。子どもたちの食べるものは安全なものを、年齢や障害のあるなしにかかわらずどの子も一緒に…なども保育理念でしたし、仕事が休みの日は、親は自分の子どもだけでなく、すべての子どもたちを「保育」することも「共同保育」の一環でした。親にとっては、いろんな役割があり大変でしたが、いまはそれが人の縁となり、懐かしい子どもの思い出です。
3年前にNPO法人格を取得して、認証保育所となることを目指すことで生き残りを選んだごんべですが、施設は認可保育所の基準とほぼ同様です。きれいでバリアフリー仕様。いままでとはまったく違います。資金的にも最初は無理と思われた事業でした。しかし夢がかなった思いです。
私の子がごんべの頃、約20年前とは親の働く状況、子どもを取り巻く環境はずいぶん変わりました。親子関係がいま問題として言われますが、根本的なこととして、親も子も、時間的にも精神的に大変で余裕がなくなってきたような気がします。しかしそんななか、これからのごんべが、よき伝統として「共同保育」の理念を維持してほしいと願っています。私にとって、あの頃のごちゃごちゃとした子育ての「共同保育」で得た人間関係、考え方は貴重な財産としていまも続いているからです。
せっかく新しくなったごんべです。ごんべの卒園「親」で、格差や貧困がもたらす子どもたちの問題を考えていくための場所、子どもの居場所をつくる「夢」を模索中です。それが「NPOごんべ」の果たす地域での役割だという議論を進めているところです。どうかこれからも、ごんべを応援してください。