12月議会報告 「生涯学習センター」の管理運営が、指定管理者に代わることについて

立派すぎる「公の施設」を、根本から見直すべきでは


12月議会の一般質問で、18年前に120億円の建設費をかけて浅間町に建てられ、市が直営で運営してきた「生涯学習センター」に、2013年4月から指定管理者制度を導入するという、議会への市の提案について取り上げました。

管理運営に民間のノウハウを入れると「安く効率的に運営ができるから」と市は説明します。12月に公募を開始、来年度に、応募した企業などのアイデアを検討して、指定管理者を選定するといいます。

体育施設、プール、学習施設、宿泊施設を備えた、近隣多市には見られない立派な施設でありながら、以前から、立地が不便、もっと便利なところに市の施設が建てられた、などで利用者は増えず、なかでも宿泊施設の稼働率は問題となっていました。

そんな施設の根本の問題を見直さないで、民間に管理運営を任せても、これまでと市の負担額は減らないと思います。市は答弁でも、毎年いくら指定管理料を払うのかの積算根拠を示しませんでした。

しかも民間のアイデアであれば、何でもアリでも困ります。もともと社会教育施設として建てられたものです。これまで利用にいろいろ条件をつけてきたのは、そのためです。社会教育を貫くのなら、公募の条件にはじめから示すべきですが、そこもあいまいなままで、選定のときに考えるような答弁でした。

市には他市に比べて立派な施設がたくさんありますが、それらの老朽化や維持管理費がいよいよ焦眉の課題になってきました。生涯学習センターも例外ではありません。それゆえの指定管理者の提案でした。財政的に「お荷物」とならないためには、少なくとも宿泊部分は見直すといった提案もあっても良いと思います。

しかし何より、私たちは地域の中でどんな「社会教育」を望むのか、それにふさわしい施設の管理の運営のやり方は…という議論から、市は提案して始めるべきです。