「までいな村」の放射能汚染と、再生のビジョン

糸長浩司さんの飯舘村報告を八王子で聞く

八王子市では、10月は「平和強化月間」として、市民団体によるさまざまな企画が催されています。8日に八王子・生活者ネットワークが企画した『映画「幸せの経済学」上映と糸長浩司さんのお話』に参加しました。

八王子市とも縁の深い糸長浩司さんは、日本大学生物資源科学部教授ですが、福島県飯舘村と共同で、『持続可能な村づくり』を目指すさまざまな取り組みを、これまで18年にもわたり行なってきました。

3・11の原発事故後、「飯舘村後方支援チーム」をすぐに組織して、放射能の専門家と共同して現地の放射線量を継続的に測定し、放射能汚染の情報を発信して、国の情報公開が遅れるなか、住民の避難、分村等の助言を行なっています。その後も村民有志による「負げねど飯舘」と協働した避難生活改善、健康リスク対策等の支援活動を実施しています。

 報告の最初に、事故直後も変わらず美しい里山と農の風景が、スクリーンに映し出されました。人の手が加わった二次自然であり、農民が長い間かけて、生きるためにデザインしてきた風景だといいます。行政も住民とともにエコロジカルな手作りの「までい(真手)なむら」を目指してきたのに、一生懸命土を作ってきた農家の土が汚染されたことが悔しいと、ふり絞るような面持ちで語っていました。

 津波被害を受けた地域からの避難民を、放射能汚染情報の隠蔽があったため、村民が屋外で世話をしてともに被曝したことが悔しい、とか、村の多くを占める国有林の除染方針が定まらない、恵みのおおもとである森や山は財産ではないのか、などなど、やりきれない怒りのなかから、しかし「原発に頼らない」村の再生のビジョンを語ってくれました。
 NPO法人エコロジー・アーキスケープのHP(http://www.ecology-archiscape.org/)
に詳しく描かれています。

 汚染を受けた地から、村の再生への希望が語られています。原発による電気の「恩恵」を享受してきたといえる私たちは、村民にどんな返答をこれから用意できるだろうか、と忸怩たる思いを持ち続けて聞いたお話でした。