生物多様性の危機は、学校給食の危機につながる

GM食品輸入大国日本の現状を「学校給食学習会」で学ぶ

  去る7月29日に横浜で開かれた「学校給食を考える会」ほか主催の「夏期学校給食学習会」に参加し、「生物多様性と遺伝子組み換え(GM)食品」と題する天笠啓祐さん(市民バイオテクノロジー情報室代表)の講演を聞きました。
  生物多様性とは、天笠さんは「毎日の食卓である」と言います。たくさんの動物や植物がいま絶滅の危機にあるといわれますが、種の多様性があってこそ生態系が守られるのであり、生態系の崩壊が食料に直結するということです。

  いま生物多様性を脅かしているのは、世界中の「土地・水・食料」まで支配しようとしている多国籍企業(メジャー)です。例えばモンサント社は、種子から自社のGM作物を広めることで、生物多様性と食の安全を奪っている代表的穀物メジャーですが、モンサントの「除草剤耐性」を持つGM作物によって、却ってそれに耐性を持つ雑草が増えた、だから農薬使用量が増えたとか、原生種や野生植物、在来種が危機に瀕しているなどの話がありました。GM作物のもつ逆説として当初から懸念されていたことが、いよいよ現実になったと、そら恐ろしくなりました。
  現在、日本はGM作物の栽培国ではないものの、食料輸入大国のため、大豆やナタネなどで一番多くのGM作物を口にしている国であり、輸入GMナタネの種がこぼれて自生し在来種を駆逐するなど、生物多様性を脅かしているのが現実だそうです。

  学校給食は食品や食料について学ぶ教育となります。生物多様性を考える「食育」の場です。いま全国的に学校給食のセンター化、委託化が進んでいます。しかしこの学習会には給食の現場で働いている人たちが多く参加しているようでした。現場の職員こそが、日本の食料自給率の低さや、世界で最もフードマイレージが高い現状や、農業や地場の種を守る大切さを子どもたちに伝える役割を担えます。府中市の学校給食センターは、かろうじて直営で運営されています。現場の職員のかたの頑張りに期待したいです。

*フード・マイレージとは、生産地から消費地までの距離を縮め、輸送にかかるエネルギーを減らして環境への負荷を抑えようという指標で、「輸入食料の重さ×輸送距離」で表します。数値は少ないほどいいのですが、日本は2位の韓国の約3倍もあり、世界一です。