子宮頸がんワクチン接種禍 市も独自の被害実態調査と補償の仕組みを!

 府中市に要望書を提出します

    国の方針に従って、府中市でも2011年から、子宮頸がん予防ワクチン予防接種事業が開始され、保護者の判断による任意予防接種の位置づけで、中学1年生から高校1年生の年齢に相当する女性市民などを対象に自治体の接種費用の一部助成が行なわれてきました。

    それが今年の4月1日からは予防接種法の改正により、小学校6年生から高校1年生の年齢に相当する女性市民を対象とした定期接種として法定化され、対象者には通知が届けられるなどの対応がとられています。

     子宮頸がん予防ワクチンについては、接種によってのさまざまな症例の副反応が厚労省には報告されていました。この数倍の副反応が起こっているとの指摘もありましたが、報告に義務付けはなく、後追い調査も行なわれてきませんでした。実際は厚労省が「実質は軽度」とみている数を除いても、インフルエンザワクチンの重い副反応の20倍以上にのぼる被害であるという報道もあります。

    今般の定期接種化にあたり、副反応被害者の接種中止と補償を求める声が大きくなり、厚労省もその対応に着手する方針であることがいま、大きく報道されるにいたっています。

     定期接種化がほぼ確定した、先の3月の予算委員会において、府中市における副反応事例について生活者ネットワークが質問したところ、市内での副反応報告が1件、市として把握されていました。市の助成事業である以上、接種後の経過の中で何らかの因果関係が認められれば、救済が必要であると考えますが、市は現在のところ「補償要件として十分とは言えない」という見解で、救済対象としていません。

     しかし、予防接種法によれば、接種は自治体の自治事務です。空気感染で広まる病気ではなく、年に1度程度の健診を受けていれば予防できるとされる病気であることを踏まえるならば、十代の女児のいのちと健康を守るために、府中市において定期接種化に踏み切るにあたって、以下のような要望を市に提出することにしました。

① 国の被害実態調査が行なわれ、ワクチンの安全性と効果が検証されるまで、接種の積極的な勧奨を見合わせること。 

② 学校とも連携し、接種した女児の健康状態について追跡調査を行ない、実態を把握すること。また、結果を広く市民に公表すること。

 ③ 接種した子どもや保護者からの被害の申し出に対しては、十分な意見聴取と調査を行ない、少なくとも接種の経過において何らかの因果関係があると認められるときは、市として救済措置を行なうこと。

 ④ いま接種を呼びかける書面が「お知らせ」として配布されているが、保護者に対してのみではなく、接種する子どもたちに対しても、紙ベースでの副反応などについての情報をより丁寧に盛り込むこと。

 ⑤ 市内の医療機関に副反応被害事例を周知徹底し、接種前の説明と、副反応による被害者が受診した場合の対応を指示すること。

 ⑥ 被害を疑う子どもや保護者からの相談窓口を、保健センター内に開設すること。