4月15日から17日まで、水俣市に行ってきました。水俣病という「負の遺産」を乗り越えるべく「環境先進都市」を目指し、先駆けて家庭のゴミの20分別を始めた市です(今は22分別)。
水俣市の「クリーンセンター」を見学し、市職員さんと、施策を進めた前市長さんからお話を聞いただけではありますが、とても印象に残ったことを紹介します。
まず、分別をはじめた理由です。当時の財政難と、分別の不徹底によって事故が起き、施設の補修費がかさんだことでした。ゴミを減らせば、処理費用が少なくてすむ、事故も減る、その分市民には分別の負担をかけるが、還元しています、という話でした。結果的に「環境」につながっていますが、もともとは「お金」の事情です。そこを市のイメージ向上につなげた発想と市長、市職員、市民の努力に水俣の力を感じました。
クリーンセンターも整然としていて驚きました。色ごとに積まれたビン、紐で結ばれた古紙などがきちんと別々の場所に保管されており、それらのスペース周りもすっきりしていました。府中市の「四谷リサイクルプラザ」はもっとゴミが雑多な状態で散らばっていましたし、仕分けにも人手や機械が動員されています。「分別」の質の違いを目の当たりにしました。
そして、施策について語る前市長の姿が一番印象的でした。「もともと水俣市はマイナスからの出発です。市民が自信と誇りを持てる施策は中途半端なものではダメだ、と思い切ってやりました」と、熱く語ってくれました。かたや府中市は、なかなか徹底した分別はむずかしいダストボックスはいまのところ存続させ、処理経費の無駄は近い将来、有料化に転嫁しようとしています。行政も市長も、市民に対し、一貫性を持った施策の方針や理念を語ってほしいものです。