「要援護者」対策より、自衛隊の参加が優先! の防災訓練とは。

8月31日朝、府中市武蔵台少年野球場で、震災を想定した防災訓練が大々的に行なわれました。消防をはじめ水道、電気、ガスなどライフラインの復旧に当たる関係機関や病院、保健所などあらゆる復興関係者が駆けつける一大イベントで、防災担当者にとっては大変な行事であるのでしょうが、今回もショー的な感は否めませんでした。
昨年策定された『新地域防災計画』では初めて「災害時要援護者」の対策を立てることが市の役割であると盛り込まれましたが、市はこのことを踏まえ、要援護者である高齢者や障害者などの救出と避難を想定した計画は立てていませんでした。
しかし、今年は初めて自衛隊が炊き出しという形で参加しました(写真)。飯ごうで作るご飯とカレーを陸上自衛隊第一師団と府中航空自衛隊の後方支援部隊の車両2台でつくり、整理券を持った参加者に振舞われています。材料費は市が持った、部隊への要請も市が行なったと担当者は述べました。自衛隊は災害派遣は本務ではありませんし、出動要請も都が行なうものです。地元の自衛隊へは要請できると市の担当者は述べますが、実際の災害時に、市の要請が優先とは考えられず、まして住民への炊き出しは、救出よりは後回しのはずです。
災害時でもすぐには来ない自衛隊への要請と、市民へのイメージ付けが先で、高齢者、障害者対策は計画にあっても後回し、では「災害強者」だけが生き残ることを市民に知らせているようなものではないか、と思います。担当者からは「自衛隊の炊き出しが問題だ、と言ったのはあなたたちが初めてだ」とかなりすごまれてしまい、愕然としています。