理由のひとつは、「家庭ごみの有料化」が盛り込まれていることです。審議の中で、どのように分別するか、有料化の算定根拠はなにか、これで減量効果はどう見込まれるかについて質問しました。分別方法はこれから決める、算定の根拠は「他市にならった」、「減量効果は得られる」というあいまいな答弁でした。容器包装などのプラスチックの分別は、今の市の計画では不燃ごみとの混在・混乱は避けられません。プラスチックの収集・運搬の経費は「委託なので不明、数字は出ない」ということです。有料化による減量効果は、ボックス撤去と同時に行うことや、経済不況ではごみが減ることも考えると、それだけの効果の判断はできません。「有料化でごみは減る」という根拠が、市民に負担を求めるにしてはあいまいすぎます。
もうひとつの理由は、府中駅南口再開発計画の中で出てきた、市が70億も追加出資して公共施設を作るという計画です。いまだにどんな施設をどのような資金計画で作るのか、明らかにされません。「これから資金計画は考えるが、市債を発行する予定である」という答弁です。「これから」と言いつつ、市債とすることは決まっているという不思議な答弁ですが、それは将来に借金を残すということです。それならば市民にいつどのような形で知らせるのか? それも明らかにされません。計画が走り出してからでは遅い、と考えます。
経済の悪化を見込み、法人市民税や競争事業収入は大幅に減額し、借金(市債)と貯金(基金)で穴埋めした予算です。そんな中、施策の優先度はどのように選択され、意思決定されたのか。財政計画や施策の透明性がないのでは、反対せざるを得ません。しかし審議は一括で、最終的に多数決で決まります。「反対少数」によって「市長提案どおり可決」となりました。