「豚インフルエンザ」騒動を、一息ついて考える…

「豚インフルエンザ」はかなり落ち着いたようですが、一息ついただけで、また現われる、などともいわれます。怖かった…対策に異議を唱えたら指弾されそうな雰囲気と、嵐のような報道が。
 府中市も、都の通達もあり、対策に追われました。公立中学校数校は修学旅行を延期し、学務担当職員は「連日残業、土日もなかった」といっています。もし患者が出たらどんな「責め」を本人や学校は受けることになったのか…マスコミの論調に、「社会防衛」思想も極まったと思いました。
 発生源として、メキシコの、親会社はスミス・フィールド社の養豚場が、早くからあげられていました。アメリカ国境近くにある全米最大の巨大豚肉資本の会社の養豚場ですが、実はその「製品」は、対日豚肉輸出の相当部分を占めています。2004年に対日輸出をにらんで生産規模を拡大していました。日本は工業製品輸出と引き換えに、豚肉輸入の協定を結んでいたのです。
 生活者ネットの都議会議員候補者の原田恭子さん(多摩市)、坪井まりさん(杉並区)と2回の決起集会の応援にかけつけ、講演した田中優さん(未来バンク理事長)が、今の経済の仕組み、お金の流通の仕組みのゆがみを伝える例として、この養豚場も挙げていました。ひどい飼育環境、抗生物質漬け、池に汚物たれ流しで、以前から地域住民に病気が発生しており、反対運動があったことを訴えています。
 根本は、BSEのときと同じく、私たちの食糧の生産と消費のありかたが問題でした。まるで工業と同じ「製品」が私たちの食糧になっている、この経済の仕組みを変えなくては未来はない現実に、直面しています。

 (2007年4月まで新潟市議会議員であった中山均さんのブログ「ナカヤマヒトシ通信」5月11日号に、詳しい事情がリポートされています。関心をもたれたら、検索して、参照してみてください。)