子どもが小学校に入る前に、「就学時健診」受診をすすめるお知らせがきます。これは自治体には実施の義務がありますが、子どもに受診の義務はありません。世田谷区などでは広報にその旨付記しています。
そして健診に行くと、知能検査があり、「心身の遅れがある」と判定された子は、就学相談を経て、就学指導協議会で特別支援学級などへの就学が勧められます。就学先の決定は教育委員会です。保護者の意見は「尊重」されるだけです。
府中市は5年前に、この知能検査の方法を、個別面接方式から、6人1組にして、3人の先生が受検態度も記録するという集団方式に変えていたことがわかりましたが、問題の内容は「テストだから」という理由で情報公開しません。変えた目的も説明されません。
9月の一般質問で、この問題を取り上げ、府中市の「特別支援教育」の目指す「共生社会」の理念に反する、情報公開もされない知能検査のありかたは問題だ、方法を変えた理由を公開してほしいと意見を述べました。
埼玉県東松山市では、07年に府中市の「就学指導協議会」にあたるところを廃止し、健診の結果は、バリアフリーや介助員の配置など受け入れの条件を整え、希望に沿った入学を保障するための参考にしています。分けて教育することではなく、ともに学ぶための条件を整える方向で行政は健診方法を変えるべきです。
9月19日、20日の2日間、渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで、「なぜこの学校に行けないの? これ以上子どもを分けるな! 障害児を普通学校へ・全国連絡会 第14回全国交流集会」が行なわれます。20日午後には小児科医の梅村 浄さんの記念講演が予定されています。「就学時健診を考える府中市民の会」も賛同しています。07年に特別支援教育が始まり、ますます分離別学制度は強められています。府中市の教育を、教育全体の流れから考えるために、ぜひご参加ください。