そこで、すでに過ぎた2年間の実際の額と、見直した財政計画での今後の4年間の予定額を一般質問しました。すると市税収入は、08年と09年は490億9千万ですが、今後4年間は1年当たり472億4千万円と見積もられていることがわかりました。今後さらなる市税の落ち込みが予想されているわけです。当初の計画では市税収入は1年間で510億の見込みでしたから、37億円も減収です。
同様に、歳入について、財源別に、市の回答を列挙します。
08、09年の1年当たりの額 10〜13年の1年当たり見込み額
市税収入 490億9千万 472億4千万
国と都の補助金 153億3千万 189億4千万
基金取り崩し額 29億3千万 53億3千万
市債の発行額 32億 64億8千万
その他一般財源 124億4千万 126億9千万
総額 829億9千万 906億8千万
これで分かるのは、市税収入が減っているのに、国や都からの補助金や、基金の取り崩しと市債を大幅に増やし、財政規模は今より増額になっているということです。
しかし、国や都からの補助金は使途が限定されています。しかも地方分権といわれる時に、どんな施策に増額を当てにしているかは、市民に説明する必要があるでしょう。
基金は「公共施設整備基金」や「都市整備基金」など、使途を条例で定めて貯金してきたものです。市債は学校や公共施設建設など、年度を越えて将来の市民にも利益が及ぶ施策については、将来世代にも公平に負担してもらうという考えで起こす借金です。3年後から元本を必ず返さなくてはいけません(ちなみに今の市債残高は400億ほどです)。
今回の歳入における計画変更は、家庭で言えば、屋台骨の収入は減ることが分かっているのに支出を減らせず、貯金の取り崩しと借金でまかなった形です。しかしそれは、後年度に負担をまわすことになっていますから、市が支出の予定をきちんと教えてくれなくては、私たちはその是非を判断できません。
次回は、すこしだけわかってきた、その支出の予定と問題点です。