多摩川衛生組合は、私たちには「有害ごみ焼却実験」データを非公開!?

  前回、多摩川衛生組合の情報公開を得られなかったことをご報告しました。6月の塩酸漏洩事故の調査結果報告書と「有害ごみ焼却実験」の数値計測を委託した調査会社からの報告書は、いずれも9月末に出されると衛生組合は公に言ってきたことから、9月28日に情報公開請求に出向いたものの、すでに出ているのかどうかの言明もなく、閲覧もできなかったものです。

  またまた続編です。
  事前に「情報公開できる」という電話での返事を受け、10月15日に再び衛生組合に出向きました。しかし行ってみたら「10月1日に多摩川衛生組合事故等調査委員会を作ったので、その審議に影響を及ぼすおそれがあり、まだ公開できない」と言われ、徒労に終わりました。確かに多摩川衛生組合情報公開条例7条5項にそのような趣旨がありますが、この事故調査委員会は構成4市の副市長と担当職員だけであり、データの検討などを行なうところではないことが明らかでした。

  その後、石川・稲城市長が、多摩川衛生組合と東京たま広域資源循環組合(日の出町の最終処分場)の2つの管理者の辞職を表明する事態になりました(「事故等調査委員会」でもそんな政治的話し合いがされたのでしょう)。辞職の理由は、20日の新聞報道によれば「実験は拙速だった」とか「判断が軽率だった」などとされています。じっくり構成市と相談して実験していればよかった、という総括と反省なのか?!・・・これでは首のすげ替えに終わります。
 
  同時期の19日に多摩川衛生組合議会の全員協議会が、緊急に開かれています。府中ネットはこの議員ではなく、傍聴もできませんでしたが、衛生組合がこの全員協議会のために作成した資料には、私たちには「非公開」とした実験のデータがかなり詳細に写されていることが判明しました。であるなら、もう非公開の意味がないのではないか! 早急に実験の元データを公開すべきです。

  今回の事態の本当の問題は何か? について。石川管理者の交代が最終結論であるはずはありません。明らかになったのは、有害な水銀を含むごみの回収処理が自治体の負担(重荷)となっている現状と、水銀の規制が甘く、燃やすこともできると考えていたという現状です。有害ごみの回収処理の責任を生産者が回避していること、水銀の大気汚染対策が取られていない国であることが問題です。