このことを取り上げたきっかけは、足尾銅山跡に緑を増やす運動に賛同して、秋にどんぐりの苗木の植林ツアーに出かけたのですが、そのバスがBDFで走っていたからです。杉並区の学校給食の廃食油を、障がい者就労施設で精製したBDFも使われているという話でした。排ガスは微かにてんぷらのにおいがするものの、嫌な黒い煙は出ないし、高速道路も山道もOKで、運行にも支障がありませんでした。
答弁では、市は石油使用量を減らせる意味から「温暖化対策になる」ことを否定はしませんが、積極的に進める考えはありませんでした。国も進めていない、技術的に課題がある、というのが主な理由です。
いま、市は家庭用廃食油を文化センターなどで回収しています(このことは市民からよく「どうなっているの?」と質問されます)が、全量が市内の運送業者に引き取られ、BDFに加工されています。市の答弁では、環境に配慮したというより、入札でいちばん価格的に有利な条件を示した業者と契約したということです。
市の学校給食に使われる油は食品の安全性に配慮したものが使われています。ならば、BDFとしてふさわしい原料となるのではないか、と考えました。しかし現状では、廃食油は専門の業者に引き取られており、契約上(随意契約ですが)その使途は問われていないことが今回の質問でわかりました。
良質の資源といえるものですから、環境面でも、精製や販売などで就労支援としても生かせないかと思います。公用車にBDFを使ったら、環境都市府中!とイメージアップにもなるし、子どもたちの教育にも生かせるし、といろんな意味で「もったいない」のですが、契約にもかかわることで、なかなかこれまでの仕組みを転換することは難しく、政策的判断でもあると、答弁で感じました。