「水と緑事業」のひとつの結果が「府中市郷土の森観光物産館」

  去る2月9日に厚生経済委員協議会が開かれました。経済にかかわる事案として「郷土の森観光物産館」の開設が報告されました。

  元をただせば総合計画にある「水と緑のネットワーク事業」の拠点として、大きな複合施設を青年の家跡地に建てる計画だったのですが、経済状況悪化により予算はいったん凍結になったものです。それが大幅に規模が縮小されて、昨年12月の建設環境委員協議会に設計案が出されました。このとき「もっと事業内容を説明すべきだ」といった懸念の声があがったものの、そのまま設計が進められ、今回「内容の報告」と市から提案されたのです。

  延床面積約500平方メートルに、「観光情報発信エリア」、地場の農産物や特産品を販売する「物販エリア」、そして「飲食エリア」(おにぎりやカレーの軽食やB級グルメなどを考えているそうですが)を配置する。情報発信エリアは観光協会に委託、物販エリアはJAに、飲食エリアはこれから業者を選定するということです。

  この施設は建物は市が建てますが、行政の目的に適う施設は観光情報発信エリアだけです。他は「公共施設の目的外使用」となります。そこにも市のお金が使われるのであれば、事業の採算性や、総合体育館や郷土の森のレストランや農産物販売所との関係などもっと議会や市民に説明が必要であるし、私たちはこの経済状況でどうしても作らなくてはいけない施設とはいえないと反対してきましたが、進める方向で議員間で了承されました。

  11月には建物が出来上がる予定です。2日前に示された23年度の予算書にも、投資的事業(水と緑のネットワーク拠点等整備事業費)として約2億円が組まれています(ほとんど市債と基金の取り崩し)。事業の内容がまだ整っているとはいえない中で進められていく建物建設……でも「総合計画」で水と緑は進めるべきとされているから、公共事業は経済効果があるからと、進んでいきます。協議会という非公開の場の議論だけで進む議会のありかたも、「市民意見」はどこに?という市民の不満に答えきれていないと思います。