そして原発は、これまで原発推進者が「ありえない」といっていた領域に入り、対処できない事態が進行していることが分かります。政府・電力会社の一方的な情報を鵜呑みにできないことは過去の事故の例をみても明らかです。原子物理専門の学者であった故・高木仁三郎さんが設立し、長い間原発の危険性を訴えてきた原子力資料情報室から、3月15日「メッセージ」が出されていますので、一部抜粋します。
【福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、極めて深刻な事態が続いています。
この影響を避けるためには、原発から距離を置くのが最も有効な手段です。可能であれば、福島原発から、できるだけ遠くへ離れることがベストです。移動できない方は、建物の中に入って、外気に極力触れないでください。雨には絶対に当たらないように気をつけてください。
「何キロまで離れれば安全か」について判断することは容易ではありません。この判断のためには、放射能レベルと気象条件についての正確な情報が必要であり、さらに、今後何が起こりうるかについての的確な予測が必要だからです。これまでの政府・東京電力の情報提供は極めて不十分であり、この判断のために必要な情報を、正確かつ迅速に提供するべきです。】そして今後事態がさらに深刻になる可能性を指摘しています。
府中市は月曜日に住民票などの発行窓口を閉鎖しました。理由は「計画停電」予定時間に停電が起きるとすれば、立ち上がるまで5時間もかかるホストコンピューターのスイッチを入れられない、ということでした。もちろん知らずに来庁している市民もたくさんいました。公共施設の閉鎖も断続的に行われています。「想定外」の事態とはいえ、情報の遮断がいちばん混乱を引き起こします。余震も続く中、危機管理がこれから問われます。
府中・生活者ネットは、災害復興のための義援金をつのり、東京ネットを通じて被災地に送ることにしました。街頭でもこれから呼びかけていきます。