小金井市には市が維持管理する食品の放射能測定器があります。チェルノブイリの事故で、輸入される食品の汚染に危機感を持った市民が設置を求め、市と運用契約を交わした市民団体の放射能測定器運営連絡協議会が20年以上も継続して測定しています。
週1回の測定でしたが、福島の原発事故以降依頼もあり、いまは毎日測定しています。20日(金)に、測定の様子を見学しました。鉛の遮断帯のなかに食材を入れて30分ほどで、セシウム134と137の合算値の情報などが出てきます(正式には6時間計測)。
最近の測定データを見せてもらいましたが、福島の事故以降、値が上がっています。誤作動や過剰反応との批判も考慮して公表はしていませんが、継続的な市民の活動そのものが敬意に値する、貴重な記録であると思います。チェルノブイリ事故のときいくつかの自治体で市民が設置を求めていますが、今まで続いているのは、お隣の小金井市のほか、全国でも数えるほどしかありません。
福島事故以降、私たち府中ネットにも、たくさんの声が寄せられています。大気や水や土の汚染から食品が汚染され体内に取り込まれてしまう放射能は、ここまでが安全でここからは危険といった境は決められません。ですから、子どもたちの給食や遊びの場が大丈夫なのか?といった、私たちに寄せられる切実な声は、東電を始め国や都が情報を出さないという不安と不信から来ています。そして市も情報をきちんと出すべきという声になっています。
そこで放射能汚染に対する見解を市の環境政策課に聞いてみましたが、「放射能汚染は『公害』の位置づけではないので、うちの担当ではありません」という答えでした。原発事故など起こらないという国の大前提のせいでこうなるの?…と愕然としました。
私たちはこれから毎日、大気からだけでなく、食品や土からも放射能を取り込む生活が避けられなくなりました。それぞれは「国の基準」(状況によって変わっています)値以下でも、合わせた影響は測れません。いかにその影響を少なくするか、自らの判断が求められています。汚染に対する正確な知識と情報を得るために、小金井市の活動を学びたいと思います。