その間フレコンパック1トン袋で203袋にも上る灰(飛灰固化物)が衛生組合内に保管されていました(この作業の問題については報告しました)が、その後、この袋を調べたら鉛が基準値を超えていた、などとも報道されました。
これらの処分の方法を、折に触れて問い合わせてきてもずっと「検討中」との答えでしたが、今月11日に開かれた組合の臨時議会の資料に方針が決まったことが記載されていました。
それによると、山形県米沢市にある一般廃棄物最終処分場と「事前協議」を進めてきたが、「環境保全協力金」を、受け入れ市である米沢市に支払って持ち込み処分する、溶融スラグも「飛灰固化物」の「覆土剤」として持ち込むことで内諾が得られたとしています。示されている費用は、約5650万円(うち環境保全協力金140万円)です。
7月25日に衛生組合を訪ねて聞いたところ、すでにフレコンパックの搬出は開始されていました。トラックで5回に分けて、いったん中間処理施設に運んで鉛などの「無害化」処理をした後最終処分場に持ち込み、その後溶融スラグを運ぶという説明でした。
本来は、圏域を越えて一般廃棄物の移動はできないはずですが、「事前協議」を東京都も認めているのでしょうか。しかも貯まり続けて処分に困っていた溶融スラグも、一緒に処分できることになりました。問題のある廃棄物でも「お金を払えば処理できる」という、法に従った選択であるかもしれませんが、地方に負担を押し付けることは道義的に問題ありと思います。
そもそもこの「事件」は、処理に困っていた溶融スラグを昨年3月に府中市が引き取り、山形県米沢市の最終処分場に持ち込んだことから、私たちが問題視し情報公開を求め、そこに書かれていた蛍光管と乾電池の「焼却実験」の事実を追及したことが発端ですから、見過ごせません。
さらに、この資料では、今後被災地の「災害廃棄物」の受け入れを東京都が検討しており、多摩地域も含めて受け入れが予想されると示唆されています。放射能の測定態勢はきちんと取られるのかも、今後衛生組合に見解を求めていこうと考えています。