再開発事業で、市が公共施設のために買い取る床の価格が明らかにされました

9月議会一般質問報告

府中駅の南口の伊勢丹までの地域に、再開発ビルを建て、住宅と商業施設を作るという組合施工の事業が以前から進んでいます。その計画のなかで、商業ビルの6階と7階あわせて6100平方メートルを、フロアごと市が買い取って公共施設を作るということが議会に報告されたのが、2008年の3月でした。私たちは予算・決算委員会などで、総合計画にもない公共施設整備計画であり、作るというなら駅周辺にある公共施設をどうするかの全体計画を示すこと、資金計画を示すことが必要なはずで、それを示さず購入を決めるのは問題があるとずっと言い続けてきました。
しかし、発言が議事録には残らないことや、6月に東京都の認可が下りて、再開発事業のための本組合が設立したことで、やはりきちんと見解を聞いておこうと思い、9月議会の一般質問で、府中駅南口再開発事業について取り上げました。

2008年以降も経済状況はなかなか好転せず、事業は進行が遅れており、フロア計画も1階減って、市の買い取る部分は5階と6階となりましたが、一貫して市のいう購入の理由は「再開発事業は市の重要な事業だから、それを成り立たせるために床を買う」ということで、今回の一般質問でも、このことは変わりませんでした。

このことによって、組合施工でありながら、再開発ビルの事業費の半分近くを市が負担することになります。そして今回の質問で明らかになったのは、買い取る床の単価が、市は1平方メートルあたり100万円近くになるのに対し、4階の1500平方メートルを買う野村不動産(参加組合員)は、1平方メートルあたり約70万円であり、広く丸ごと買い取る方が高い!ということです。民間会社はリスクを負いませんから、不足分を公共が補てんすることを認めているわけです。「事業を成り立たせるため」と言ってきた意味が分かりましたが、それを市は市民に公表してきたでしょうか?

府中駅周辺にも、たくさんの公共施設があります。市が一方的に、市民活動の拠点として本当に必要な施設であり、税金の投入もやむなし、今後の整備費(内装費など)や維持管理費も市民が等しく負担する、と決めるには、あまりにも情報公開がなさすぎると私は考えます。