「飛灰」が、多摩川衛生組合内に貯まり続けている!

通路に置かれた保存袋
通路に置かれた保存袋
  多摩川衛生組合のごみ焼却後の灰が、日の出町の最終処分場に搬入できなくなっていることが、11月27日の新聞でも取り上げられ、事態が公になりました。
  概略は『多摩川衛生組合が、有害ごみを焼却実験した後の灰を無断で「東京たま広域資源循環組合」の処分場(エコセメント工場)に持ち込んだ問題で、衛生組合が今月9日から、循環組合の意向を受けて、通常の焼却灰の持ち込みを停止していることが26日分かった。現在は灰は衛生組合内に保管しているが、来月上旬には保管場所が一杯になる見込み。このまま搬出先がない状態では、四市のごみ焼却ができなくなる。石川・稲城市長に代わって新たに管理者となった矢野・狛江市長が、蛍光管などの有害ごみを一切持ち込まないことや、情報提供と公開の徹底、チェック態勢の強化などの改善策を日の出町議会に説明したが、町議会は改善策実行後の様子を見極めるとし、搬入再開は見送られた。来月上旬にも再び矢野・狛江市長が日の出町を訪れ、再開に向けて理解を求める』といった内容です。

  16日の多摩川衛生組合議会を傍聴した時に、有害ごみ「焼却実験」発覚後の9月にも焼却していたとか、狛江市の「有害ごみ」が行方不明になっている、などが判明したため、日の出町がついに搬入停止を申し入れたと報告されていました。これは大変な事態だ!と驚きました。

  有害ごみを焼却実験した後の灰は「焼却灰」と「飛灰」に分けられています。ごみを焼却すると「焼却灰」と「飛灰」が生成されます。「飛灰」とは、ろ過式集塵機のバグフィルターに溜まる灰で、有害物質が一番そこに集まります。一般にはダイオキシンが問題視されており、クロムやその他の有害金属類も含まれているので、厳重に外界から遮断すべきとされ、特定管理廃棄物に指定されているものです。多摩川衛生組合は「焼却灰」はそのままスラグにしていますが、「飛灰」は外に飛散しないような厳重に密閉できる車でエコセメント工場に持ち込んでいるのです。ですから、断られたからといって、風雨にさらされる工場の外に積んでおくわけにはいかないのです。

  報道前の25日に、私たちは状況を見に行きました。写真で紹介します。約1トン入るフレコンパックが山積みでした(かつては蛍光管が「実験」のために保管されていた場所です)。2日で10袋以上貯まるそうです。作業は専門業者に委託していますが、特別の車でパッキングされていました。ショックだったのは、飛灰の貯槽に人が入って集塵していたことです!
  ホースで吸い込むのですが、なかなか上手くいかずよく詰まるのだそうです。吸い込みやすそうな場所にホースを移動する作業が自動ではできないのです。もちろん呼吸はできないのでエアーが送られ、完全防備です。写真が暗いのは、私たちもガラス越しで見ているため、フラッシュをたくとガラスに反射して却って中が写らないために、フラッシュ無しで撮影しているせいです。

  現場にこんな作業を押し付けているのが、私たちの出すごみです。今後この飛灰の山はどう処理するのか・・・またどこかで焼却され、それが灰になり、と汚染の循環になるのか。考えれば考えるほど状況に暗然としています。