もっとも優先するのは国家の秩序! 「個人」を尊重しない時代に回帰したい自民党改憲案の思想を学ぶ

上原公子さん(元国立市長)講演会(第2回憲法学習会)の報告

8月4日(日)の伊藤真さんに続き、9月8日(日)に憲法学習会第2回目「自民党の憲法改正草案が描く日本の形…戦争への道」が、元国立市長の上原公子さんを招いて開かれました(主催「府中で憲法を考える実行委員会」、府中・生活者ネットワークも協賛)。上原さんは、国立市長時代も予算説明のときの市政方針では必ず「憲法」について触れたそうで、憲法への造詣の深さが伺えました。

 2002年に「有事法制関連3法案」(武力攻撃事態法など)が小泉内閣から出されたとき、危機感を感じて国立市長として「意見書」を政府に提出したそうです。

 このとき主にやり取りをした政府の担当者が、政治家に転身し、今回の「自民党憲法改正草案」にかかわっているのだそうです。当時も、最も優先すべきなのは国家の秩序であり、「公共の福祉」は国家のためにあり、それを守るのは軍隊である、という発想に驚いて反論したそうですが、個人の尊重より国家が大事、という「改憲案」に表れた思想はずっと底流にあって、自民党は息長く布石を打ってきたのだという論証をされました。そんな「戦前のあの時代を求める人たち」が政権を握って、いったい日本はどうなってしまうのでしょう…と、危機感をあらわにされました。

 ヨーロッパでは、日本は原発事故を起こしたにも関わらず、原発を進める安倍政権を選んだことが「ありえない」と、とても奇異の目で見られていると、最近講演で回って実感したそうです。

 

 

憲法の第12条には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」とあります。私たちがアクション(=不断の努力)が足りないこと、失望せず憲法を使いこなす行動を起こさなくては負けてしまう、と結ばれました。あっという間の2時間でした。