「有料化で本当にごみは減るのか?」学習会に参加して

10月5日夜に「ごみ有料化は、ごみ問題の解決にはならない」として反対の立場を取る、熊本一規・明治学院大学教授の講演会を行い、40人ほど参加者がありました。
 それを聞きにきた方に会いました。
「とてもよい話だった。とにかく、市長が有料化といっているときに、こんな目からうろこの話を聞けるなんて! ゴミ袋のお金を取られなくてもすむ、ごみは減る、有害なものも少なくなって環境汚染も減る。それは、ごみの処理費を生産者が払えばいいだけの話なんて!」…本当にそうでした。

では、なぜ、それができないのでしょう。
ひとつには、ごみ処理プラントメーカーが、巨大処理場を作って、もうかるから。多摩川清掃工場は川崎重工、エコセメントは太平洋セメント、府中市の事業系ごみが運ばれることになった埼玉県寄居町のガス化溶融炉はJFE(旧NKK)、他には三菱、日立…。建設はゼネコン。多摩川清掃工場の談合も問題化しました。そうそうたる大企業がごみ処理を担っているのです。ごみもプラスチックも減ってもらっては困る、というわけです。
 プラスチックの焼却など、日本のごみ処理技術は世界最高水準、といいます。

 先生も指摘していましたが、ごみ有料化反対というのは、大企業と、そちらを後押ししている日本政府との「せめぎあい」なのです。もちろん住民の声をきいて有料化をしていない自治体もありますし、有料化はおかしいと裁判になっている自治体もあります。ですから、処理費は大企業が払うべきお金であって、自治体や私たちが肩代わりすることはないのだという視点を、この有料化問題をきっかけに、もっと広めていくこともできます。
 生産者が処理費まで責任を持つ、という「拡大生産者責任」の考え方は、ドイツではデュアルシステムという形で実現しています。しかしこれは、政府から始めたというわけでなく、自治体の清掃労働者の訴えから始まったということでした。
府中市のごみ有料化問題が、じつは日本の産業構造を問うものであったわけです。「不買(不払い)運動」のようですね。やってみようという気になりませんか?

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