国が進める気がない、店晒しの「原発事故子ども・被災者支援法」

全国の自治体から推進を求める声を、との呼びかけに応えたい!

 8月2日に参議院議員会館で開かれた「『原発事故子ども・被災者支援法』推進自治体議員連盟 結成集会」に参加してきました。
 この集会の模様については動画で検索できますが、私もこれまで山田真さんの講演会で、「この法律ができたにもかかわらず、子どもたちの健康診断などをきちんとやろうとしない、ちっとも実効性のある施策が打ち出されない!」という怒りの声を聞いていましたので、法成立以降の状況を知りたかったからです。

 昨年6月に議員立法で、全会一致で成立したこの法律は、一定以上の放射線被ばくにさらされている地域の住民に対して、避難することもとどまることも、避難先から帰還をすることも、そのいずれを選択した場合も国が適切に支援することを定めており、放射線被ばくによる健康被害の未然防止のために子供や妊婦に対して、国の責任で無料の健康診断、医療費の減免を行なうことなどを定めた画期的なものです。しかし、1年以上たってもそれを具体化するための「基本方針」をいまだ策定しないという、ありえない事態になっているのでした。
 そのための作業にあたっていた復興庁の水野参事官の「暴言ツィッター」事件で明らかになったのは、本人の問題だけではなく、国・復興庁自体が「一定以上」の放射線量基準の線引き作業に難色を示していること、基本方針の策定を参議院選挙後にしようという思惑(=意図的サボタージュ!)があったのだと説明されました。

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)の川﨑健一郎弁護士による記念講演の様子(写真がへたくそですみません)。法律の意味、問題点、具体化が遅れている理由など、とてもわかりやすく説明してくれました。

 つまり「一定以上」について、「追加線量1ミリシーベルト/年」という数字にしたくない(これでは範囲が広すぎて補償できない)、放射線被ばくによる健康被害など認めるつもりがない(山下センセイ=国の言動から明らか)という意図が露わだとわかったというのです。これはとても根が深い問題だ…とわかります。

 しかし、この法律に基づく実効性ある基本施策の早急な策定を求める意見書が、全国の自治体からあげられていることが紹介され、この動きをもっと広めてほしいと訴えられました。

 このことを受け、ともかく成立の過程では「全会一致」で通った法案ですから、意見書の採択を府中市でも実現したいと思っているところです。