「どの子も地域の学校へ〜『障害者差別解消法』を学校教育に生かそう!」学習会に参加

  インクルーシブ教育の実現のために「差別解消法」を大きく育てたい

  11月17日、「どの子も地域の学校へ〜『障害者差別解消法』を学校教育に生かそう!」に参加しました。(主催・就学時健診を考える府中市民の会」「NPOいっぽ」)。講師は一木玲子さん(インクルーシブ教育推進ネットワーク、筑波技術大学教員)です。

   「障害者差別解消法」は、2006年に示された、国連の「障害者権利条約」を批准するための国内法整備の一環として位置づけられ、議論を経てようやく今年の6月にできました。そこには「障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現」が目的として書かれています。 

  教育においては、2011年に改正された改正障害者基本法で、従来の障害に応じて就学先を振り分けていた日本の教育制度から「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮」することをはじめて明記しました。

 しかし一方で文科省は小学校や中学校で「特別支援教育」を「共生社会を目指すインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育」であり、法律の趣旨に反しないとして進めてきています。どんな理由で「特別支援教育」が行なわれ、どんな問題があるのか…

   一木さんは、いま文科省は懸命に「分けることは差別とは違う、多様な場を用意している」と理屈をつけて「条約に違反しない」と言っているそうですが、「特別支援」教育を保護者に勧めたり、障がいのある子が普通学級へ通うには保護者の付き添いを求める例などは、「合理的配慮」を欠いた「差別」であるとして、差別解消法をもとに今後は教育現場に求めていけるはず、と言います。インクルーシブ教育とは、どの子も「同じ教室の中で、同じ空気感を共有すること」であり、学ぶ場を分けることは子どもの権利が果たされていないと言います。

   この法の施行は3年後の2016年です。それまでに中味のある法律に育てて、教育でも「共に生きる」ことができるように地域で頑張ってください、と訴えられました。