リニア中央新幹線?! アメリカの「支配戦略」に誤魔化される歴史を繰り返さないで!

 去る10月13日(月)、詩人のアーサー・ビナードさんが「リニア新幹線」問題について語る講演会(主催 リニア・市民ネット)を聞きました。

「リニア」という言葉は「直線」。リニアと英語で言って、英語圏の人に、一直線に疾走する乗り物はイメージできないそうで、英語でこの乗り物を表すなら、たとえば「スーパーコンダクティング(超伝導の)マグネティック(磁気)レビティション(浮揚)ライン」となるそうです。それが日本では、さわやか、すっきりのイメージの言葉で誤魔化しているのだそうです。
 

 アーサーさんは、日本人はアメリカの戦略にこれまでも誤魔化されてきたのだという、意外な方面から話を始めました。1945年3月10日、下町の人たちが10万人も殺された東京大空襲があった。
 なぜ下町をアメリカは狙ったのか…それは、支配層のいる地域は温存し、日本の戦後体制をアメリカの手中にするための焼夷弾による「実験」だったと言います。支配層によって1964年には、新幹線開通とオリンピックを成し遂げ、その後の高度経済成長によって、すっかり日本人は浮かれ騙され、アメリカによる植民地支配は目的を果たした。
 そんな日本人の「アンポンタン度」を測るために、1964年の12月7日「パールハーバー」の日に、東京大空襲を指揮した司令官カーチス・ルメイに勲章を授与したが、反対の声はほとんどなく、過去を忘れて浮かれていることを支配層は確認したというのです。この日の参加者も(私も)その事実すらほとんど知らないのでした。

浮かれてリニアを認めてはいけない!
 アーサーさんは、「リニア」に浮かれてはいけない。単に東京―名古屋間が早くなるのが「リニア」の目的では絶対ありえない。これは「実験」である。地下の暗い電磁波だらけのトンネルを突っ走る技術開発には、アメリカの戦略という裏があるに違いない。
 そうでなければ、9兆円ものJR東海だけで負いきれるはずがない、経済的に合わない事業を進めるはずがない(原発と同じで結局つけは国民の負担になる!)と強調していました。

「通過地となる町田市の代理人、渡部さんと」

10月17日に、「国交相がリニア建設計画を認可した」という新聞記事がありました。総工費9兆円をJR東海が賄うと言っているので大丈夫、環境対策も「JP東海が行なうから大丈夫と国交相が言っている」で済ませています。講演会を聞いた直後なので、そんなことありえない! と、この記事のいい加減さに怒りました。止めさせなければ!

 

 

◆参考までに、「youtube」で講演会 第1部の録画が公開されています。
 (最初の17分くらい雑音で聞き取れません。新幹線到着後のお掃除の手際の良さを「世界一の現場力」と称賛した本についての、新聞の書評を批判しています) 
https://www.youtube.com/watch?v=NVsYfGU5o0I