4月18日、19日に、府中公園の「府中緊急派遣村」に参加した。昨年暮れの日比谷の「派遣村」行動にならい、多摩地域では初めて開かれた市民有志による行動だ。府中市内の企業の派遣切りにあった、わずかの所持金から交通費を工面して来た、などさまざまな相談者の「藁をもすがる」思いに、現実のひどさを実感させられた。
先の一般質問で、私は市に、「生活保護」は「最後の安全ネット」と位置づけられているため、就労できる年齢であったり、頼れる親族がいると判断されたりすると受給されない制度でも、現実的に、柔軟に対応してほしいと訴えた。しかし個人の事情は複雑で、単純ではない。例えば「親が年金暮らしでも、親を頼れと窓口でいわれたらどうしよう」「家賃がもっと少ないところに移らないといけないといわれたら…」「借金の返済はどうすればよいのか?」などの事情が入り組んでいる。相談では、それでも生活のために、受給の要件を満たすようにそれらを解決し、交渉に当たるか、当事者とともに、専門家も交えて話し合った。
「派遣切り」に対応できる、別の支給要件での保護制度があれば、暮らしを立て直し、自立できるかもしれないのに、そんな人たちを、路頭に迷わせ、救う制度を作らない国も企業も犯罪的だ。また行政窓口も昨年同時期の2倍3倍の相談者増になっているし、複雑な事例に日々対応しているのだから、制度そのものを何とかしてほしいと思っているはずだ。
湯浅誠さんの話を昨年秋に聞いたが、そこで、「『水際作戦』は違法だが、生活保護の相談者と行政窓口がお互いに相手を『税金ドロボウ』とののしり合っていても、何も解決しない。責める相手を誤らないように。相手は生活保護行政を改めない国、厚労省である」という言葉を思い出した。