年頭にあたり、昨年を振り返る(その1)
昨年度中に、と思いながら果たせなかった2013年のまとめを、新聞記事の切り抜きなどで振り返っています。
◆国のエネルギー基本計画策定経過とパブリックコメント募集
都知事選挙や、第2次安倍政権発足から始まった年でした。1月半ばに「いくつかの自治体が震災後、自然エネルギーを取り入れる新たなエネルギー計画づくりに動き始めた」との記事があります。しかし自治体担当者を悩ますのが国のエネルギー政策の迷走であり、国のエネルギー基本計画がまとまらず、政権交代で「脱原発依存」政策が揺れ動く可能性が指摘されていました。
その基本計画(案)が出され、いまパブコメ中(6日まで)。計画案は原発回帰、核燃サイクル推進であり、全く民意や福島事故を無視したもので、パブコメで異議の申し立てを行なう要請が私にも届いています。パブコメが官僚にどこまで届くか…「原発ホワイトアウト」を読むと暗然としますが、あきらめるわけにはいきません。
パブリックコメント募集についてはこちらをご覧ください。
昨年9月のDVD「逃げ遅れる人々」上映後にお話を聞いた、福島県田村市の鈴木絹江さんからの要請文です。
◆TPPと特定秘密保護法案の問題
4月以降は汚染水問題とTPP問題が多く報じられていますが、汚染水問題は事故当初の対応の失敗から予測されていたそうです。11月には、TPP報道はウソばかりだという鈴木宣弘さんの話を聞きました。
「本当の情報」を市民が選択できる回路があることは貴重なことです。鈴木さんは「今だけ、金だけ、自分だけ(儲かればよい)」と、日本の農業をつぶし、国の原風景さえも変えようとすることに躊躇しない大企業、官僚たちがいま大きなウソを国民についていると、口を極めて非難していました。自民党のTPP断固反対という選挙公約のウソ、聖域は守るというウソ、国益は守るというウソ…次々に出てくる官僚の言い訳のウソ(つまり報道のウソ)を暴く話でしたが、元農水省の役人であり、政府筋からも情報が得られるということです。
11月のこの学習会はおりしも「特定秘密保護法案」が参議院で採決のころでした。鈴木さんは「この法案ができたら、私に情報を提供してくれる人は逮捕かも…」などと話していました。冗談ではない、と驚きました。
◆特定秘密保護法案の廃止を求める意見書、府中市議会では否決
生活者ネットは、この法案に反対する意見書を府中市議会として提出するよう求める議員提案を12月議会に提起しましたが、残念ながら、賛成少数で否決されてしまいました。採決も、国会での法案成立後となり、力不足でした。
私は、提案者として議会で提案趣旨の説明をしました。政府が正確な情報を隠してきたことが市民の生活に危険をもたらした過去があったこと、民主主義的な決定には正確な情報が必要であること、それをもとに議論することが、市民から付託された議会として必要であることを述べたつもりです。
この提案が否決されたのは、国会で秘密保護法案に賛成した党に連なる議員が府中市議会で多数であるためですが、しかしその人たちから私の趣旨提案に対する反対意見が出ませんでした。そのため議会の場での議論ができなかったことが残念でした。