小平市の下水道施設を見学して
生活に欠かせないのに見えない巨大インフラ施設が、地下に張り巡らされていることを実感!
私たちが日々出している生活雑排水の処理は、府中市が下水道を整えており、押立の北多摩1号水再生センターなどで処理しています(水再生センターは広域の下水の処理をしている都の施設です)。1964年に整備を初めて20年かけて84年に100%に普及し、総延長は740キロに及んでいます。整備当初の下水管は50年が経ち、公共施設や道路などのインフラと同様に、延命化のための改修計画を立てて計画的に取り組む必要があり、市にとっては今後、大きな財政課題となってきます。
都市に住む私たちには、ごみの公共による処理と同じく、この管がなくては生活ができないのですが、それがどんなものか見たことがなければ、費用の膨大さ、処理の大変さも実感できません。しかし実物の見学ができるところは少ないのですが、2月に小平市の「ふれあい下水道館」を訪ねました。ここは小平市が1990年の下水道普及100%の記念に、その意義を市民に知ってもらいたいと作ったという珍しい施設です。「下水道には多額の費用を使いましたから、市民のみなさんに理解していただくために作られたそうです」と職員の方が説明してくれました。
下水を浄化し多摩川に流すまでの仕組みについて説明を受けた後、地下5階、25メートル深さまで下りて、潜水艦ハッチのような防水扉をくぐり、公共下水道の実物を見ました。こんなに大きな管が地下に張り巡らされているのです! 見学の日は水量も少なく、臭気も予想したほどではありませんでしたが、降水のあとはこの管がいっぱいになり、年に数回は閉めることもあるそうです。このような設備に支えられて都市の生活が成り立っており、無意識にいろんなものを流すことは、処理費の増大につながることも実感できました。(お江戸の排泄物の処理の仕組みの解説の部屋もあります。循環型社会のお手本のような…ぜひご見学をお勧めします。)
3月議会では、下水道事業特別会計予算案が審議されます。節水意識の普及や大口需要の減少で使用料収入は見込めないこと、しかし今後の改修更新費を見込んだ財政計画を立てる必要性などを市が説明すると思われます。私たちの生活の中で公共に委ねている費用については、もっと学習しなくてはいけないと思わされています。
24〜25年の計画はここから検索できます。