交際相手から受ける暴力(デートDV)を本当になくしていくためのワークショップに参加しました

NPO法人「エンパワメントかながわ」の実践を、ぜひ府中でも!

118日に、「NPO法人エンパワメントかながわ」の方たちのワークショップ企画が、中河原にある「スクエア21・女性センター」で行なわれました(「自分も相手も大切にする関係づくり〜デートDV予防ワークショップ〜 主催・府中ネット、府中市男女共同参画市民企画講座事業)。

◆「対等」でないところから暴力は起きる

 「デートDV」はなぜ起こるのか、どうしたらなくせるのか。「エンパワメントかながわ」の方たちは長年、啓発ワークショップのプログラムを編み出し、県内の高校生・中学生などに実践してきました。
 
この日は、大人である私たち参加者に内容を披露していただく企画です。理事長である阿部真紀さんほか2人のかたが進行役となり、男女カップルと女の子の友達に扮し、女の子同士がカラオケに行こうと約束して会えたところに突然現れた一方の女の子の彼氏、という設定の寸劇から始まりました。
 
彼氏は「そんな約束より、オレと映画に行こう! チケットも買ってきてやった」と無理やり誘い、女の子は断りきれないで、友達との約束のほうを断りますが、こんなこともデートDVにつながる関係だと皆が気付くことから始まり、「本当はどうしたかったのだろう」「本心は何で言えないのだろう」「友達は彼氏にどう言えばよかったのだろう」と考えていきます。そしてデートDVにならない「対等な関係」はどうしたら築いていけるのか、という根本的なテーマを話し合います。

◆暴力のない社会をつくる!

 ひとはだれでも「暴力を受けずに生きていく権利」がある、と阿部さんは強調します。若者たちにもこのことが伝わればよい!という思いで、活動を続けているそうです。
 
被害を受けている子に対しては、周りの人から「あなたは決してわるくない」というメッセージを伝えることが一番大切だと言います。しかし、その伝え方が、「〜してはいけない」という言い方では、上から目線でNGなのです。それはとても難しいことだと、ワークショップでじっくり体験しました。


 
仲間同士ならいじめ、親からなら虐待、夫婦間ならDV、恋人という親密な関係なら「デートDV」、国と国との間なら…。言葉を換えていても、本質は「対等」ではない力関係で起きるのがこのような暴力であり、すべての暴力を本当になくしたい!という思いを切々と語る阿部さんに聞き入ってしまいました。若いときこそ聞いておくべき話です。
 
神奈川県では年間400回ほど中学校や高校などでワークショップを開いているそうです。しかし当初は、学校から断られていたといいます。府中でも、あきらめずに学校に働きかけていかなくては、と痛感させられました。