秘密保護法をこのまま許せば、人権保障も情報公開もない!と訴えた海渡雄一弁護士の話を聞いて

原発事故と強行採決を忘れないで、廃止を求めましょう。

 2月1日、「秘密保護法と集団的自衛権〜特定秘密保護法・国家安全保障会議設置法・自民党改憲草案はつながっている」と題した学習会(主催・子どもと女性の人権を考える東京の会)に参加してきました。
 お話は海渡雄一さん(弁護士)。長年脱原発運動に取り組み、現在脱原発弁護団全国連絡会共同代表と日弁連秘密保全法制対策本部副本部長を務めている方です。原発と秘密保護法の関係が浮かび上がるお話でもありました。

◆原発事故では、東電と国を守るための秘密があり、人の命は守られなかった

 

 福島原発事故を巡る「秘密」の話が導入でした。
 
たとえば、東京電力は1137日(事故の4日前!)に福島原発における津波評価について15.7mと報告していました。11日の津波の浸水高は15.5mだったにもかかわらず「想定外」だと言い続け、この報告を国も秘匿し続けました。浪江町の浜では、住民にSPEEDIの正確な情報があれば全員避難命令で救助を断念することなく救えた命もたくさんあったし、山側の線量が高い地域に避難せずに済んだであろうということです。
 
東京消防庁が原子炉の破局的災害を防ぐために代替注入を行なった時は、原発の図面は「テロ対策にかかわる最高機密」とされ、東京電力からは原発内部の図面を入手できずに作業に不当な被ばくを強いられました。そして図面を教えてくれた職員は、いまの秘密保護法のもとでは特定秘密の漏示罪に当たるだろうと指摘しました。

 

 これらの事実をおもうと、今後、原発(=核)を含む軍事上の情報の入手を試みるジャーナリズムの行為や市民の反原発や戦争反対の声は「反体制」や「テロ」「スパイ」とし、孤立させ、普通の市民とは違う存在だと思わせるために秘密保護法は使われる、そして戦前の治安維持法をおもえば、より重罰化に「改正」される要素は十分あるとし、反面、ジャーナリストにとっては何が秘密かもわからない、裁判における弁護に対する権利保障もないというリスクは計り知れず、公安機関の強化、ひいては反原発や反戦の市民運動への監視の強化につながるのは確実という話でした。

◆「戦争準備3法」を実現させないために

 原発事故の情報秘匿、アメリカの実例(ペンタゴン・ペーパーズ事件、スノーデン氏が明らかにした事実)、戦前の実例など数多くの例が示され、今後予想される「秘密保護法制下」の社会の怖さが身に染みました。これに自民党の改正憲法草案が重ね合わさります。
 
すでに作られた日本版NSC(国家安全保障会議)、秘密保護法、これに国家安全保障基本法(集団的自衛権につながる)と3点セットになれば、戦争準備3法となり、現実は大変な事態だけれども、秘密保護法は成立したのと同じ手続きで廃止できるので、廃止に向けた運動を続けましょう、と訴えられました。
 
廃止を求める署名を生活者ネットワークでも取り組んでいます。ぜひご協力ください。